目次
はじめに
集合住宅におけるインターホンは、居住者の安全・安心な暮らしを支える重要な設備です。管理会社・管理組合の皆様にとって、インターホンの適切な更新・導入は、資産価値の維持向上、居住者満足度の向上に繋がる重要な課題です。本記事では、インターホンの種類、機能、選び方、更新時期、主要メーカー、そして管理・運用におけるポイントを詳しく解説します。
●インターホンの種類と機能
集合住宅のインターホンは、大きく分けて以下の3つの機器で構成されています。
- 集合玄関機:エントランスに設置され、来訪者が住人を呼び出すための機器です。
- 住戸親機:各住戸に設置され、来訪者を確認し、応答するための機器です。
- 住戸玄関子機:各住戸の玄関に設置され、来訪者を住戸親機に音声又は映像を送信する機器です。
これらの機器が連携することで、来訪者の確認から応答、そしてオートロックの解錠まで、さまざまな機能を実現しています。
○主な機能
主な機能は以下の通りです。
- 録画機能:来訪者の映像を録画し、不在時の訪問者を確認できます。
- オートロック解錠:住戸親機からエントランスのオートロックを解錠できます。
- 宅配ボックス連携:宅配ボックスの荷物到着を住戸親機で確認できます。
- スマートフォン連携:スマートフォンで来訪者を確認し、応答できます。
- 火災警報・非常警報:火災や非常事態を住戸内に知らせます。
- ハンズフリー通話:応答時に受話器を持つ必要がなく、両手が自由に使えます。
- モニター機能:玄関先の映像をいつでも確認できます。
※導入する機器により機能は異なります。
●インターホンの選び方
インターホンを選ぶ際には、以下のポイントを考慮しましょう。
- 必要な機能:録画機能、オートロック解錠、スマートフォン連携など、必要な機能を洗い出します。
- 費用:機種や機能によって価格が異なるため、予算に合わせて選びます。
- 画質:来訪者の顔をはっきりと確認できる、高画質の機種を選びましょう。
- 操作性:高齢者や子供でも簡単に操作できる、シンプルな操作性の機種を選びましょう。
- デザイン:住戸のインテリアに調和する、デザイン性の高い機種を選びましょう。
○アイホン製
アイホンは、インターホン・ドアホンの専門メーカーとして、長年にわたり高い技術力と信頼性を誇っています。住宅用から業務用まで幅広い製品ラインナップを取り揃え、安全性と利便性を追求した製品開発に力を入れています。
アイホン製インターホンの主な特徴は以下の通りです。
1. 高い品質と信頼性
- 長年の実績と高い技術力に基づいた、高品質で信頼性の高い製品を提供
- 厳しい品質管理体制により、耐久性に優れた製品を実現
2. 充実した機能
- 録画機能、モニター機能、ハンズフリー通話など、基本的な機能に加え、以下のような多彩な機能を搭載
- スマートフォン連携:外出先からでも来訪者対応が可能
- 電気錠連動:インターホンから玄関の鍵を解錠可能
- 宅配ボックス連携:宅配物の到着をインターホンで確認可能
- パノラマワイド:広範囲の映像で死角を少なくし、より安全性を向上
- おまかせ応答:来訪者やシーンに応じて、自動もしくは手動で玄関子機から音声メッセージを流し、来客応対が可能
3. 多様な製品ラインナップ
- 戸建住宅、集合住宅、オフィス、病院など、様々なニーズに対応する幅広い製品ラインナップ
- シンプルな機能の製品から、高度なセキュリティ機能を搭載した製品まで、予算や用途に合わせて選択可能
4. 使いやすさ
- 高齢者や子供でも簡単に操作できる、ユニバーサルデザインを採用した製品
- 見やすい画面表示やわかりやすい操作ボタンなど、使いやすさを追求
5. セキュリティ
- 侵入犯の約45%が、犯行前にインターホンを鳴らして在宅の有無を確認することから、空き巣を“寄せ付けない”対策として有効な「録画機能付きテレビドアホン」などセキュリティに特化した製品も数多く開発
- 不審者の侵入を防ぐためのセキュリティ機能を強化
★主な製品シリーズ
1. VIXUS(ヴィクサス)シリーズ
- 豊富な機能と拡張性を備えた、ハイグレードなインターホンシステムです。
- 大規模マンションなど、高いセキュリティレベルが求められる集合住宅に適しています。
2. PATMO(パトモ)シリーズ
- シンプルな機能と使いやすさを追求した、集合住宅向けインターホンシステムです。
- 小規模アパートなど、シンプルな機能を求める集合住宅に適しています。
- 導入コストを抑えたい場合にもおすすめです。
3.dearis(ディアリス)シリーズ
- 住空間に美しく調和するフラットデザインを採用しており、グッドデザイン賞を受賞しています。
- オートロックシステムとの連携や、防犯カメラとの連携など、防犯性を高めるための機能が充実
https://www.aiphone.co.jp/products/complex/#system (参考)
○パナソニック製
パナソニック製の集合住宅用インターホンは、高い技術力と豊富な機能で、集合住宅のセキュリティと利便性向上に貢献しています。主な特徴は以下の通りです。
1. 高画質・高機能な映像システム
- 高精細な映像で来訪者をしっかり確認できる高画質カメラ
- 夜間でもカラーで鮮明な映像を表示する夜間カラー機能
- 広範囲を映し出す広角レンズ
- 録画機能やモニター機能など、多彩な映像関連機能
2. スマートフォン連携機能
- スマートフォンで来訪者対応や解錠操作ができる
- 外出先でも来訪者を確認し、応答できる
- 宅配便の到着や警報通知をスマートフォンで受け取れる
3. セキュリティ機能の充実
- オートロックシステムとの連携
- 防犯カメラとの連携
- 火災警報や非常警報との連携
- 不審者への声かけ機能や録音機能
4. 快適な使い心地
- 高齢者や子供でも使いやすいユニバーサルデザイン
- タッチパネル式の操作画面
- ハンズフリー通話機能
- 室内の電話機をインターホン子機として使える機能
5. 多様なシステム構成
- 小規模アパートから大規模マンションまで、様々な規模の集合住宅に対応
- 既存の配線を利用したリニューアルにも対応
- IPネットワークを活用した最新システムも提供
★代表的なシリーズ
- Windea(ウィンディア)シリーズ:
- 高機能・高画質を追求したフラッグシップモデル。
- スマートフォン連携やセキュリティ機能が充実。
- Clouge(クラウジュ)シリーズ
- 業界初(※2019年5月27日時点、パナソニック調べ)となる自動応答機能を実現。
- IoT化を見据え、インターホン親機全機種にブラウザ機能を搭載。
https://www2.panasonic.biz/jp/densetsu/ha/mansion_ha/syohin/ (参考)
○アイホン製とパナソニック製の違い
アイホンとパナソニックは、どちらもインターホン市場で高いシェアを持つ代表的なメーカーですが、製品の特徴にはいくつかの違いがあります。
アイホンの特徴
- 豊富な製品ラインナップ:
- 住宅用から業務用まで、幅広いニーズに対応する多様な製品を提供しています。
- 特に集合住宅向けのシステムに強みを持ち、セキュリティに特化した製品も豊富です。
- デザイン性と操作性:
- スタイリッシュなデザインと、直感的に操作できるユーザーインターフェースが特徴です。
- グッドデザイン賞を受賞するなど、デザイン性の高さも評価されています。
- インターホンの種類の多さ:
- 現在販売されているものだけでも、30~40個程度販売されています。
- それぞれ価格、搭載されてる機能等が違うので、自分に合ったインターホンを多くの種類の中から選ぶことができるようになっています。
パナソニックの特徴
- 高画質・高機能な映像システム:
- 高精細な映像技術に強みを持ち、夜間でも鮮明な映像を表示できる製品など、高画質・高機能な映像システムが特徴です。
- 動画の録画及びSDカードへの保存が可能です。
- スマートフォン連携機能:
- スマートフォン連携に力を入れており、外出先からの来訪者対応や解錠操作など、便利な機能が充実しています。
- システム連携:
- 電話機との接続や防犯カメラ、電磁ロックに対応しているなど、機能性が高いといえます。
- 耐久性と拡張性:
- 耐久性に優れ、長期間安定した性能を維持する製品が多いです。
- システムの拡張性にも優れており、将来的なニーズの変化にも柔軟に対応できます。
★主な違いのまとめ
- 製品の強み:
- アイホン:集合住宅向けシステム、デザイン性、種類の多さ
- パナソニック:映像技術、スマートフォン連携、システム連携、耐久性
- 機能:
- パナソニックの機種は、動画の録画及びSDカードへの保存が可能です。
- アイホンの場合は複数の画像を本体内にのみ保存する仕組みです。
どちらのメーカーの製品も、高い品質と信頼性を備えていますが、上記のような特徴の違いがあるため、用途やニーズに合わせて最適な製品を選ぶと良いでしょう。
●管理会社・管理組合が考慮すべきインターホンの選び方
インターホンを選ぶ際には、以下のポイントを考慮しましょう。
- 長期的な視点でのコストパフォーマンス:初期費用だけでなく、ランニングコスト、メンテナンス費用、更新費用を含めたトータルコストを考慮します。
- 将来のニーズへの対応:高齢化社会、IoT技術の発展など、将来的なニーズに対応できる拡張性・柔軟性を備えたシステムを選びます。
- 管理・運用体制:管理室との連携、遠隔管理機能など、管理・運用を効率化できる機能を選びます。
- セキュリティ対策:防犯カメラ、オートロック、入退室管理システムなど、既存のセキュリティシステムとの連携を考慮します。
- 居住者への配慮:高齢者や子供でも使いやすい操作性、ユニバーサルデザインを採用した製品を選びます。
- デザイン性:エントランスや住戸の美観を損なわない、デザイン性の高い製品を選びます。
○インターホンの更新時期と計画的な更新の重要性
インターホンの耐用年数は、一般的に10~15年です。計画的な更新は、以下のメリットをもたらします。
- 故障リスクの低減:老朽化による故障や不具合を未然に防ぎ、居住者の不便を解消します。
- 最新機能の導入:防犯性、利便性を向上させる最新機能を導入し、居住者満足度を高めます。
- 資産価値の維持向上:定期的な更新は、建物の維持管理状況をアピールし、資産価値の向上に繋がります。
- 予算の平準化:計画的な更新により、一度に多額の費用が発生するのを防ぎ、予算を平準化できます。
○工事の流れ
以下に、一般的なインターホン更新工事の流れを説明します。
1. 事前準備
- 現状調査と計画:
- 専門業者がマンションの現状を調査し、インターホンの種類、配線状況、必要な機能などを確認します。
- 管理組合や管理会社と協議し、更新計画を策定します。
- 機種選定と見積もり:
- 調査結果に基づいて、新しいインターホンの機種を選定します。
- 複数業者から見積もりを取り、比較検討します。
- 居住者への説明会:
- 工事内容、日程、注意事項などを居住者に説明する説明会を開催します。
- アンケートを実施し、居住者の要望を把握することもあります。
- 工事日程の調整:
- 居住者の都合を考慮し、工事日程を調整します。
- 共用部への工事日程の掲示を行います。
2. 工事
- 共用部の工事:
- 既存の集合玄関機、制御装置、管理室親機などを撤去します。
- 新しい集合玄関機、制御装置、管理室親機などを設置します。
- 必要に応じて、配線工事を行います。
- 専有部の工事:
- 各住戸のインターホン親機、玄関子機を交換します。
- 居住者の在宅時に、住戸内の工事を行います。
3. 工事完了後
- 動作確認と調整:
- 全てのインターホンが正常に動作するか確認します。
- 必要に応じて、設定や調整を行います。
- 居住者への操作説明:
- 新しいインターホンの操作方法を居住者に説明します。
- 取扱説明書や操作マニュアルを配布します。
- 自主検査:
- 工事会社による自主検査を行います。
- 完成図書作成:
- 工事会社が完成図書を作成します。
★まとめ
集合住宅のインターホンは、日々の暮らしに安心と快適をもたらす、まさに「住まいの守り神」とも言える存在です。管理会社・管理組合の皆様におかれましては、長期的な視点に立ち、計画的な更新・導入、適切な管理・運用を行うことで、居住者の皆様に更なる安心と満足をお届けできると確信しております。
この記事が、インターホン更新に関するご検討の一助となれば幸いです。ご不明な点やご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。共に、より安全で快適な住環境を実現していきましょう。