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アスクル倉庫火災を徹底解説!なぜ12日も燃え続けた原因と今後の対策

2025.09.05(Fri)

消防ニュース

アスクル倉庫火災を徹底解説!なぜ12日も燃え続けた原因と今後の対策

目次

  • 何が起きた?──朝の「端材室」から長丁場が始まった
    • ●火災の時系列
      • 2017年2月16日(木)
      • その後の経過
  • なぜ延焼を止められなかった?──“倉庫という建物”の宿題
  • 危険物の指摘とアスクルの見解──“日用品”でも危険物になる
  • 行政はどう動いた?──“シャッターが確実に下りる”ための技術改正
  • 似た倉庫火災からの学び──“届かない・くすぶる・長引く”
  • まとめ
  • ▼過去の投稿はコチラ
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      • 【徹底解説】消防署への届出は行政書士じゃないとダメ?総務省通知の真意と実務への影響

何が起きた?──朝の「端材室」から長丁場が始まった

2017年2月16日朝、埼玉県三芳町のアスクル首都圏物流倉庫1階「端材室(廃ダンボール置き場)」で煙が上がりました。巨大なオープンスペースの中で火は天井部の熱・煙の層を伝い、区画をまたいで広がります。最終的な鎮火は2月28日。行政は直後に検討会を立ち上げ、火の回り方・設備の作動・消防活動の実態を報告書にまとめました。

鎮火まで12日って本当ですか??

うん。中心部まで放水や消防隊の侵入がなかなか出来ず結果的に鎮火まで12日間掛かってしまったんだ。

さらに司法判断も出ています。2023年、東京地裁は協力会社のフォークリフト作業で段ボールがエンジン高温部に触れて着火したと認定し、約51億円の賠償命令。フォークリフトの取扱説明書が示す“排気管付近の可燃物”リスクを予見できたと判断されました。

●火災の時系列

2017年2月16日(木)

  • 9:00頃 協力会社の作業員が1階・端材室で炎を発見。消火器で初期消火を試みるが鎮火せず。
  • 9:07頃 自動火災報知設備(地区音響)が鳴動。消火器対応を継続するも効果なし。
  • 9:08頃 2階の作業員が焦げ臭さを感知。端材室上部開口(2階側)から火炎を確認 → 短時間で2階へ延焼。防火シャッターは不作動・閉鎖障害が多数。
  • 9:14 119番通報(携帯)。在館者の避難が進む。
  • 9:14〜9:21 従業員が屋外消火栓からホース延長・バルブ開放するも、ポンプ未起動で水圧不足。
  • 9:21 消防隊到着。1階端材室は早期に制圧(1階他区画への延焼は防止)。
  • 9:30 第2出場要請(増隊)。以降、第3出場・県内応援へ。開口部が少なく内部進入・注水が困難、当日には爆発的燃焼も発生し退避場面あり。
  • (避難) 在館者は出火後40分以内に全員避難完了。

その後の経過

  • 2月22日 9:30 鎮圧。以後は残火処理・警戒へ
  • 2月28日 17:00 鎮火

似たような言葉じゃが意味は違うぞ。
鎮圧:延焼拡大の危険がなくなった段階(まだ燃えているところはある)。
鎮火:消火・残火処理が完了した段階(完全に消えた)

なぜ延焼を止められなかった?──“倉庫という建物”の宿題

巨大な倉庫は物流には便利でも、火災時は不利に働きます。防火シャッターが降りても、天井付近の隙間や配管まわりから火と煙が回り込む。しかも荷の積み方次第で“シャッターの降下を邪魔”してしまう。検討会資料は、こうした閉鎖障害やオープンスペース特有の回り込みを具体的に指摘しています。

シャッターの約60%が閉鎖せず、延焼拡大が速く濃煙熱気が大量に発生した為に実態の把握や活動が困難だった。

出典:消防庁 予防課・消防研究センター www.fdma.go.jp

初動の“つまずき”も痛手でした。従業員8名が消火器21本を使ったものの勢いを抑えられず、屋外消火栓に切り替えた時はポンプ未起動で水圧不足。(起動ボタンを押さずにバルブを開けていた為)また、自動火災報知が作動してから119番まで約7分という遅れも重なり、火は先に有利な位置を取ってしまいました。

火災消火に数分の遅れってそんなに効くのですか?

火は時間の二乗で強くなる → 数分の遅れ=桁違いの強さになることもあるよ。
①見つけたら即119、②ポンプ起動、③放水開始。この“最初の数分”を短縮できる準備と訓練がカギ。

危険物の指摘とアスクルの見解──“日用品”でも危険物になる

火災後、危険物の無許可保管が疑われ、物流子会社と従業員が消防法違反の疑いで書類送検されました。対象とされたのは、消毒用アルコールやスプレー式のり、アロマオイル等。一見“日用品”でも、数量次第で危険物扱いになるのが消防法のルールです。

アスクル側は2017/7/28付で書類送検を公表・謝罪し、危険物管理の強化(該当商品の識別・保管区画の徹底など)を掲げました。のちに2017/11/14付で不起訴処分が公表されています(管理体制の強化は継続と表明)。

結局どうなったのですか??

送検→不起訴。ただし企業は管理強化を続けると明言した、という流れ。

行政はどう動いた?──“シャッターが確実に下りる”ための技術改正

検討会の提言を受け、2018年3月27日に国交省が告示改正を公布(2019年4月1日施行)。延床5万㎡超の倉庫でアナログ式感知器を使う場合、
(1) 感知器・配線の耐熱保護(※図1)を行う、または (2) 断路器(※図2)で短絡の影響範囲を限定——のいずれかを義務化。狙いはショートで防火シャッターが動かない事態を潰すことです(スプリンクラー区域は対象外)

(図1) 出典:消防庁 予防課・消防研究センター www.fdma.go.jp
(図2) 出典:消防庁 予防課・消防研究センター www.fdma.go.jp

上記の方法以外にもアナログ感知器以外の一般感知器の利用も考えられているのじゃ。(一般感知器はショートすると信号をシャッターを降下させる受信機に送る機構になっている為)

並行して消防庁は、中央部へ水を通す発想(連結送水管・進入口・バルコニー・車路活用など)を明示した**「大規模倉庫における消防活動支援対策ガイドライン」**を整備。建築×運用の“すき間”を埋める実務指針が共有されました。

要するにシャッターを確実に動かすための配線対策と消防の活動設計が強化されたんですね!

おお!正解!

似た倉庫火災からの学び──“届かない・くすぶる・長引く”

プロロジスパーク岩沼1(2020)は、4/30出火→5/6鎮火。事業者・テナント連名の発表でも鎮圧~鎮火まで日数が公式に記録されています。大空間×多品目の難しさが浮き彫りに

SBSフレック 阿見第二(2022)は冷凍倉庫特有のリスクが顕在化。7/2 早朝にフラッシュオーバーが発生し、消防活動は長期化しました(負傷者なし)。断熱材や貫通部の納まり、内部区画の切り方が議論の中心に。

アズマロジスティクス 守谷(2022)は平屋約4,080㎡ながら発生から8日余りで鎮火。荷の“くすぶり”が消火を遅らせる、という現場のリアルが伝わります。

共通点は中央まで水が届きにくく、可燃物が偏在し初動が難しい。規模に関係なく、この点が長期化のトリガーになりやすい

まとめ

アスクル倉庫火災が教えてくれたのは、「基準を満たす」だけでは火は止まらない、という現実です。
広い空間では、数分の遅れが炎の勢いを何倍にもします。だからこそ、書類よりも“動くかどうか”。ポンプは回るか、防火シャッターは降り切るか、感知器は正しく知らせるか――現場で確かめた分だけ、最悪のシナリオは遠のきます。

サンタ通信では消防設備の法定点検も承っております。
お見積りからでもお気軽にお問い合わせください。

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